犬種にもよると思うが、犬の体臭は猫に比べるとキツイ。愛があれば臭いなんて気にならないわ、という人もいるだろう。それはそれで良しとしても、なぜ犬の体臭はキツイのか、気になる。そこで五十三次どうぶつ病院の北澤功先生に、なぜ犬は体臭がキツイのか、対して猫の体臭が少ない理由、犬の体臭対策について話を聞いた。

■犬は全身に汗腺があるため体臭がキツイ

まずは最初の疑問、犬はなぜ体臭がキツイのかを聞いた。

「犬にはエクリン腺とアポクリン腺という威哥王2種類の汗腺があります。エクリン腺は、脚の裏や鼻の頭などにあり、そこから出る汗はほとんどが水でサラサラしてほのかに香ばしいニオイがします。アポクリン腺は、タンパク質・脂質・アンモニアなどが含まれ、やや粘液性があります。多少のニオイがありますが、この汗自体はそんなに臭くありません。しかし、この汗が皮脂とくっつくことにより、酸化とともに雑菌が繁殖してきついニオイ、獣臭となります。人間だと脇の下から出る汗がこれにあたります」(北澤さん)

もともとのニオイはさほどではないが、あの獣臭は雑菌の繁殖によるものとのこと。

「犬は全身にこの腺があるため体臭がキツイということになります。それ以外にも肛門に肛門腺と呼ばれる臭腺があり、ここからも強烈なニオイを発します。これは犬種により違いがあり、カツオ節の香ばしい香りだったり、生臭かったりと個性豊か、犬たちは顔をみて誰々とわかるのでなく、お尻のニオイでわかります。犬は、会いたくない犬とすれ違うときは、顔を隠すのではなく尻尾を下げて丸めることで肛門を隠し、ばれないようにします」(北澤さん)

さすが、人間の100万倍以上ともいわれる嗅覚をもっているだけのことはある。ただ、頭隠さず尻隠すとは、微笑ましい光景である。

■猫のニオイが弱いのは汗腺が少ないため

次に、猫は犬に比べるとニオイが弱いが、その理由も聞いた。

「犬には全身にあるエクリン腺が、猫には肉球にあります。ニオイの元となるアポクリン腺も目や口の周りなどのごく一部にしかありません。そのためにニオイがしないのです。また、とてもきれい好きで、暇さえあればあのざらざらした舌で毛繕いをするため、体中の汚れが取れて、菌が増えません。シアリス 通販大好きな日向ぼっこも、太陽の紫外線による殺菌作用をもたらすので、ニオイの発生を抑えます。猫は待ち伏せ型の狩りをするのですが、ニオイがないことは身を隠すのに役立ちます」(北澤さん)

汗腺が少ない上にしょっちゅう毛繕いをしているせいで臭わないということらしい。

■菌の増殖を防ぐにはブラッシングが効果的

犬と猫の違いがわかったところで、犬の体臭を抑える方法についてアドバイスしてもらった。

「発生源は菌の増殖です。アポクリンの汗と皮脂や角質・毛が混ざり合い菌が増えるとニオイが発生します。ニオイを抑えるためには、古い皮脂・角質と毛をなくし菌を増やさないことを目指しましょう。菌は風通しが悪くジメジメした環境が大好きです。この環境を作らないためにはブラッシングが一番効果的ですね。古い毛と皮脂・角質を取り除いてくれますし、風通しもよくなります。ブラッシング後はシャンプーをするといいでしょう。頻度は月に1〜2回ほどで、ベタベタした皮膚、乾燥した皮膚、赤く痒い皮膚など、それぞれに合わせたシャンプーを使用します」(北澤さん)

ちなみにブラッシングをしないでシャンプーをするのはNGだという。

「一番よくないのは、ブラッシングをしないで、皮膚に汚れや古い毛がついたままシャンプーすることです。さらに、よく乾かさないでほっておいたりすると、きれいにするのとは裏腹に、菌が大好きな環境を作り出すことになってしまいます。皮膚病のときも臭いますので、適切な治療が大事です。口臭も結構気になります。口臭の元は歯石がついて歯肉炎になることによって発生するので、毎日のブラッシングなどのケアが重要。しかし、加齢によるニオイ、この本来の体臭については受け入れてあげてください」(北澤さん)

ポイントは菌の増殖を抑える、ということらしい。それには毛と口のブラッシングが効果的とのこと。愛犬のニオイが気になるという愛犬家の皆さんは、試してみてはいかがだろうか。


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Last-modified: 2017-06-07 (水) 15:28:02 (2513d)